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エボラ出血熱について

エボラ出血熱について

昨日8月8日、WHO(世界保健機関)は西アフリカ諸国で起きているエボラ出血熱のアウトブレイク(比較的限局した地域内の流行)に対して「非常事態宣言 public health emergencies of international concern」を発表しました。直訳すると、「国際的に懸念される公衆衛生学的緊急事態」という感じでしょうか。かえっておどろおどろしくなってしまいましたが・・・
 
「非常事態宣言」には定義があって、以下に当てはまる場合に発令されるそうです。
1.疾患が国際的に広がり、他国の公衆衛生上のリスクとなりうる。
2.その対応に国際的な協力が必要な可能性がある。
 
つまり、現時点で他の国に影響が及んでいるわけではないけれども、そうなる可能性があるので協力して速やかに対応できる体制を作りましょう、ということですね。
 
私たちがやっておくべきことは「過剰におびえることは無いけれども、エボラ出血熱という病気についてちょっと勉強して予防法/対処法を頭に入れておきましょう」になるかと思います。
 
例によって米国CDCの「エボラについてのQ&A」からです。
http://www.cdc.gov/vhf/ebola/outbreaks/guinea/qa.html

・ エボラウィルスはウィルス性出血熱の原因の1つです。症状には、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、脱力感、下痢嘔吐、腹痛、食欲低下、異常な出血があります。ウィルスに感染してから発症するまでの期間潜伏期)は2から21日で、多くは8から10日で発症します
・ 感染経路:症状がでている感染者死体血液や体液(吐物、便、尿、唾、汗、精液など直接触れたりこれら体液がついたもの(注射針など)に触れることで感染するとされています。(訳注:西アフリカでは、葬儀の際に遺体に触れる習慣があるそうで、そこで感染が広がったのではないかと推測されています。)
・感染した動物(コウモリとされています)の体液や遺骸との接触で感染が起こる可能性があります。(訳注:アウトブレイクの起きている国でのみ起こりえる感染経路です)

空気感染はしません。(訳注:インフルエンザのような飛沫感染も起こしません
・ エボラウィルスのついた食べ物や飲み物を摂っても感染しません
潜伏期の人、つまり体にウィルスがいるけども症状がでていない人に接触しても感染しません。
 
つまり、人から人への感染が起きうる疾患ではありますが、インフルエンザやノロウィルスのように症状がでる前から人にうつることは無く、空気感染、飛沫感染、経口感染を起こしませんから、その感染の広がりやすさはかなり低いいうことです。
万一、通勤バスや電車の中に患者さんがいたとしても、その人がいきなり吐血したり嘔吐したりしてそれら体液に直接触れることが無いような状況以外では感染することはありません。
 
ということで、特別な対策は必要ありませんが、通常の感染症予防策を習慣づけておくことが重要です。
つまり、インフルエンザや感染性胃腸炎(ノロウィルス)の予防と同じです。仮に患者や死体に接触したとしても、
1.こまめに手洗いをしましょう。石けんを使って手の脂ごと洗い流しましょう。
2.吐物や下痢便の処理をしっかりと。ノロウィルスと同様次亜塩素酸(ハ◎ターなど)でウィルスは死滅するそうです。拭き取った体液はビニール袋にまとめて捨てましょう。使い捨て手袋の使用が望ましいですね。

以上を守れば大丈夫です。
 
最後に、現時点で我が国でのエボラ出血熱の可能性が高い人は、潜伏期を考慮して「流行地域(ギニア、シエラレオネ、リベリア、ナイジェリアなどの西アフリカ諸国)へ過去21日以内に渡航したことがある発熱、頭痛等の上記症状を有する人」になります。これに当てはまる方は、最寄りの医療機関または保健所に電話連絡いただき対応をご確認ください。
 

最後に、我が国の厚労省もホームページ上に一般向け情報を出しておりますのでご参考ください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/ebola_qa.html

*2014/08/10追加:情報を追加しました。緑色の斜体文字で示しています。
CDCが新たに公表したインフォグラフィックスへのリンクも示します。英語ですが、イラストが印象的です。
http://www.cdc.gov/vhf/ebola/pdf/west-africa-outbreak-infographic.pdf


 

2014-08-09 17:52:37

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